デスクワーク中に実践可能な簡単筋トレガイド

2023年12月14日

デスクワークでは、ほとんど動かずに椅子に座っていることが多いので、運動不足に陥りやすいです。

デスクワークを長時間続けると、体に大きな負担がかかります。何時間も同じ姿勢でいると、エコノミークラス症候群や腰痛などのトラブルを招く可能性があります。

そこで、デスクワークやテレワークで運動不足を感じている人のために、座ったままできる簡単な筋トレをご紹介します。

コロナの影響で自宅勤務が増加し、一日3000歩以下(※)の人が約3割に急上昇

(※)厚生労働省が、「健康21」という生活習慣の改善などに関する目標で示している一日の目標歩数は、男性9,200歩、女性8,300歩です。

運動不足のチェックリスト

以下の症状が2つ以上当てはまる場合は、運動不足である可能性が高いです。自分の状態を確認してみましょう。

□体を動かすのが億劫になる
□起きてから動き始めるまでに時間が必要
□階段よりもエレベーターやエスカレーターを選ぶことが多い
□階段を少し使っただけでも息が上がりやすい
□歩く距離が少しでも長くなると嫌になる
□夕方や夜に疲れやすい
□常に疲れている感じがする
□休日は家でゆっくりする日が多い
□体重を測っていないことに気づく
□運動する時間を作れていない

座ってできる簡単筋トレ(上半身編)

座ってできる簡単筋トレを上半身と下半身に分けてご紹介します。運動不足や筋力低下を感じている方は、休み時間などに試してみましょう。ただし、痛みや不快感がある場合はやめましょう。

体側ストレッチ

体側ストレッチは、椅子に座ったまま上半身だけを使います。左右の体側を伸ばす筋トレですが、脇腹の筋肉も使うので、ウエストシェイプにも効果的です。

・両手を頭上で組んで背伸びする
・背伸びした時に息を吸う
・息を吐きながら両腕を右側に倒す
・倒した限界点でしばらくその姿勢をキープする
・同じように反対側も行う

胸前合掌

両手のひらを合わせて押し合うことで、胸筋を鍛えることができます。とても簡単な筋トレですので、一日に何回か実践してみましょう。バストアップにも効果があると言われています。

・胸の前で手を合わせて合掌する
・両手で押し合って数秒間その状態を保つ

頭上で手を合わせる

頭上で手を合わせることで、肩に効果があります。前述の胸の前で手を合わせるポーズと同様ですが、手の位置が違うと効く筋肉も変わります。肩こりが悪い人にお勧めで、猫背も改善が見込めます。

・胸の前で手を合わせ、手を合わせたまま手を上に伸ばす
・頭上まで到達したら、そのまま数秒間状態を保つ

ハンドグリップ

運動不足解消!デスクワークで座りながらできるカンタン筋トレ_2_4
ハンドグリップを握ることで、指の筋力を強化できます。そうすることで脳の神経伝達系が活性化して手先が巧みになるという研究結果が出ています。自分にぴったりの負荷のハンドグリップを選んで実践してみましょう。

・1セット30回を基準に一日3セット
※毎日する必要はないです。筋肉は休むことで成長しやすくなります。

座っているだけでできる簡単な筋トレ(下半身編)

かかとを上げ下げする

デスクワークの合間に、周りの人に気づかれずに筋トレができるのが、かかとを上げ下げする方法です。足首を動かすことで血液の流れも改善されます。オフィスでも自宅でも試してみましょう。

・椅子に座ったまま、両足のかかとを同時に持ち上げてつま先立ちに
・かかとをゆっくり床に戻す
・ふくらはぎの筋肉に意識を向けながら、10~20回くらい繰り返す

膝をくっつけて座る

膝を密着させるだけの筋トレです。内ももの筋肉を使うので辛く感じる人もいるかもしれません。脚を組む癖がある人は体の歪みを防ぐ効果もありますのでお勧めです。

・椅子に座り、膝が離れないようにする
(そのまま仕事を続けても構いません)
・できるだけ長くキープする

脚閉じアップ

座ったまま、腹筋に効く筋トレです。ただし、腰痛が酷い場合は無理しないで別の筋トレに取り組みましょう。

・椅子に浅く座る
・両手は椅子の両端を握る
・両膝をくっつけて、限界まで垂直に上げる
・両膝をくっつけたまま、ゆっくり元の位置に戻す
・最初は10回3セットから始める
※腹筋が慣れてきたら徐々に回数・セット数を増やします

両脚を伸ばしながらアップ

運動不足解消!デスクワークで座っているだけでできる簡単な筋トレ_3_4
腹筋と太ももの筋肉に効果的なのが、両脚を伸ばしながら上げ下げする筋トレです。腹筋に負荷がかかるので、前述した脚閉じアップに慣れた後に行うのが良いでしょう。

・椅子に浅く座る
・両手は椅子の両端を握る
・両脚を閉じて伸ばした状態で限界まで上げる
・両脚を閉じたまま、ゆっくり元の位置に戻す
・無理しない範囲で何度か繰り返す

日常生活で運動不足を改善する方法はたくさんある

「運動不足を改善したい」と思ったら、ストレッチやジョギング、水泳などのスポーツが浮かぶ人が多いと思います。でも、日常生活の中でも体を動かすチャンスはいろいろあります。

身体活動とは運動と生活活動の総称

厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動基準2013」では、日常生活に必要な仕事や家事などの活動を「生活活動」と呼んでいます。そして、「運動」と「生活活動」を合わせた体を動かすこと全てを「身体活動」と定義しています。健康づくりに大切なのは、運動指導よりも、身体活動支援だと言っています。

■「運動」とは
健康維持や体力アップ、趣味などの目的で、自分の時間に計画的に実施する活動。
例:ジョギング、テニス、サッカー、ウォーキング、ダンス、エアロビクスなど

■「生活活動」とは
日々の生活を送るために必要な仕事や家事などの活動。
例:買い物、犬の散歩、通勤、掃除機かけ、庭仕事、洗車、荷物持ち運び、子どもと遊ぶ、階段上り下り雪かきなど。

身体活動量の目安と内容

したがって、運動不足と感じても、スポーツを始めることだけが答えではなく、普段の生活でどれだけ体を動かすかが健康作りにとって重要だということです。

「健康作りのための身体活動基準2013」では、「METs(メッツ)」(※)という値で運動量を表し、身体活動量の目安と内容をわかりやすく解説しています。

(※)METs=安静時(横になっていたり、ゆっくりしている状態)を1とし、それと比べて、何倍のエネルギーを使うか…という値。

一日に必要な身体活動量とは?

では、一日にどれくらいの体を動かせば良いのでしょうか。18~64歳を対象とした「身体活動量の目安」と「運動量の目安」について紹介します。この2つの目安を満たすことを心がけてみましょう。

■身体活動量の基準
3メッツ以上の身体活動(生活活動や運動など)を、23メッツ(時/週)行います。
※歩行やそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分以上。

3メッツ以上の生活活動の例
・掃除をする:3.3メッツ
・自転車に乗る:3.5~4.0メッツ
・早歩きをする:4.3~5.0メッツ
・子どもと元気に遊ぶ:5.8メッツ(ドッジボール、公園の遊具での遊びなど)
・階段を速く上る:8.8メッツ

■運動量の基準
運動に関しては、3メッツ以上の運動を、4メッツ(時/週)実施します。
※呼吸が荒く汗をかく程度の運動を毎週60分

3メッツ以上の運動の例
・体操:18分(3.5メッツ)
・やや早歩き:16分(3.8メッツ)
・エアロビクス:9分(6.5メッツ)
・テニス:9分(7.0メッツ)
・ランニング(134m/分):6分(10.0メッツ)

まとめ

座ってできる筋トレ法を紹介しましたが、運動不足解消は日常生活の中にもあります。

仕事でも家でも、長時間続けて座っていると、代謝が下がり、むくみや冷え症の原因にもなり、体調不良を招くこともあります。

デスクワークしながらでも、30分に1回、あるいは1時間に1回でも立つこともおすすめです。簡単にできることから始めてみてください。